牡丹獅子図鍔(鐔)
銘 因州住正充

江戸時代後期
因幡国

鉄地竪丸形鋤出高彫地透象嵌色絵
縦:76.8mm 横:73.8mm
切羽台厚さ:4.3mm
耳際厚さ:3.6mm
特製落込桐箱入

保存刀装具鑑定書
ご成約を賜りました

 文化三年、池田家の御細工職人となった正充は、文様を組み合わせて変り形に透かした端正な鉄鐔や、鍛えの良い地鉄を小透した作品などからも技量の高さを窺い知ることができる優工であるが、本作はそれらとは一線を画す自身の技の限りを駆使した力作である。牡丹の花が咲き乱れる険しい岩場に遊ぶ獅子を鉄という固い素材をものともせず自由闊達に彫描いている。鍛えの良い精良な地鉄は色合い黒々として堅牢。極めて肉高く彫り出された獅子の顔は肉置き優れ、先端が巻毛になった眉の奥から覗く青みを帯びた金が象嵌された眼は力強く自信に満ち溢れていてそのまま作者の心境を表しているかのよう。爪は鋭く岩場を掴み、踏ん張った四肢には力が漲っている。緻密で流麗な毛彫による巻毛も見事。地を鋤いて毛彫を加え、陰影のあるゴツゴツした質感の岩。風に揺れる牡丹はどこまでも繊細で優美。金象嵌も鮮やかである。
牡丹獅子図透鍔(鐔) 銘 因州住正充

牡丹獅子図透鍔(鐔) 銘 因州住正充

牡丹獅子図鍔(鐔) 銘 因州住正充

牡丹獅子図鍔(鐔) 銘 因州住正充

Copy Right(c) Ginza Choshuya Co&Ltd reserved