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三つのお約束

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脇差 銘 備州長舩盛重 文正二年二月日
Wakizashi sign Bishu Osafune Morishige
Bunsei 2 nen 2 gastu hi

備前国 文正 五百五十年前 刃長 一尺八寸五分(五六糎) 反り 四分二厘 元幅 九分一厘半 先幅 五分九厘
棟重ね 二分 鎬重ね 二分二厘 金着二重ハバキ 白鞘入 昭和三十三年東京都登録

特別保存刀剣鑑定書
価額800,000円(消費税込)

 嘉吉元年六月、播磨、美作、備前の守護赤松満祐は将軍足利義教を自邸に招いて謀殺した。嘉吉の乱である。その後満祐は山名持豊に滅ぼされ、その領国は山名氏の支配となったが、赤松の旧臣は山名氏の台頭を嫌う細川氏の支援を得、四歳の政則を当主として家を再興。京都で応仁の乱の戦端が開かれるや、これを合図に備前、美作、播磨に侵攻して山名勢を一掃し、旧領を奪回している。

 表題の盛重の脇差は応仁改元直前の作。身幅重ね充分に、適度に反って寸法が延びた中鋒の、素早い抜き打ちと片手での操作に適した姿。地鉄は小板目に小杢目を交えて詰み、小粒の地沸が均一に付いて肌が潤い、焼刃に迫るように乱れ映りが立つ。刃文は腰開き互の目に小丁子、角がかった刃、地に突き入る刃を交えて複式に変化し、物打辺りには淡い飛焼を配し、乱れ込んだ帽子はわずかに掃き掛けて小丸に浅く返る。焼刃は小沸が柔らかく付いて匂口明るく、細かな金線、砂流しが掛かり、足と葉が盛んに働き、刃中には匂が立ち込めて霞立つように澄む。焼頭から映りに煙り込むような働きも顕著で、応永備前物にも通じる地刃の温潤味が感じられる。茎には銘が太鑚で淡々と刻され裏年紀も貴重。大乱勃発前夜という緊迫した状況下での作ながら出来優れ、備前刀の美点が発揮された優品となっている。

注@…現在の法律では脇差に分類されるが、当時は手頃な寸法の刀として重宝されていた。
注A…文正二年三月五日に応仁と改元されている。

 

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