「究極の美」を求めて

　刀鍛冶によって鍛えられた日本刀は研師、鞘師、柄師、塗師、ハバキ師（白金師）など刀職者と呼ばれる匠（たくみ）の手によって更なる美しさを備えるに至ります。名刀は各時代の目利きと呼ばれる大家の感性によって必要な工作が繰り返し施され、現在まで受け継がれてきました。この伝世の過程で幾度となく厳しい審美眼にさらされながら、日本刀は究極の美とも言うべき一つの理想形へと収斂し、芸術性の純度を高めてきたと言えるでしょう。銀座長州屋は、日本刀をただ単に次代へ伝えるのではなく、出来るだけ美しい状態でお客様の手にお渡しすることを心がけております。これは、言わば究極の美への挑戦であり、日本刀芸術が千年に亘って追求してきた永遠の命題でもあります。