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琴高仙人図鍔(鐔)

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銘 正壽軒知久

Kinko sennin motif tsuba

Signed Seijuken Tomohisa

No.

1051

琴高仙人図鍔(鐔) 銘 正壽軒知久

特別保存

-

円(税込)

江戸時代後期 常陸国水戸住
鉄地竪丸形鋤出高彫象嵌色絵鋤残耳
縦:80.8mm 横:77.5mm
切羽台厚さ:5mm 耳際厚さ:4mm
『坐忘鐔撰』所載
特製桐箱入

Late Edo period
Mito, Hitachi province
Iron
Height: 80.8mm
Width: 77.5mm
Thickness at seppadai: 5mm
Thickness at mimi: 4mm
Published in the book, "Zabotansen"
Kiri box

 琴の名人琴高仙人は古代中国の仙人。ある日、弟子に龍の子を捕まえると約束する。約束の日、琴高は鯉の背に乗って水中から現れたという。滝を昇りきれば龍になるといわれている鯉は龍の子と言えなくもない。表側には激流に逆らい川を泳ぐ鯉とその背にまたがり巻物を広げる琴高仙人。見上げた視線の先は裏側に彫り描かれた滝である。琴高仙人が手にしている巻物には龍門の場所が記されていて、「さあ、お前はこれからあの滝を昇りきって龍になるのだ。」とでも言っているようだ。鯉の目線がやや後ろを向いていて、困惑顔に見えるのも面白い。
 柔らかな衣の質感、その中に確かに肉体が存在すると感じさせる肉置き。髪や髭、表情や指先まで丁寧で詳細な描写が見事である。赤銅高彫の鯉は、なだらかに抑揚をつけた肉付けに写実的な鱗や鰭、顔周りには有るか無きかの毛彫りを添えて生き生きと描かれている。正壽軒知久は、水戸藩抱え工の玉川吉長の門人。
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