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鶺鴒図鍔(鐔)
無銘 知識
Wagtails motif tsuba
Unsigned Chishiki
鍔
No.
2092
保存
160,000
円(税込)
江戸時代後期 薩摩国
赤銅石目地竪丸形高彫毛彫
縦:76mm 横:67.1mm
切羽台厚さ:4.3mm
耳際厚さ:4.9mm
上製桐箱入
Late Edo period
Satsuma province
Shakudo
Height: 76mm
Width: 67.1mm
Thickness at seppadai: 4.3mm
Thickness at mimi (rim): 4.9mm
Kiri box
Hozon tosogu (unsigned Chishiki) by NBTHK
引き締まった縦に長い丸形は知識派の一特徴を示す。青味を帯びた上質の赤銅地には、川霧であろうか、微細な石目が耳にまで施されている。水辺の境界を垂直に掘り下げ、片切彫のように地を斜めに削いだ輪郭線によって柔らかな風合いを見せる砂浜。鐔の表裏に一羽ずつ描かれた鶺鴒は、立体的に彫り出された高彫の周囲を浅く鋤き込み、その姿を更に強調している。剣尖の動きにたとえられる鶺鴒の尾の動き。他流派のことで示現流とはあまり関連が無いので、ここではしっとりした水辺の情景を描いているのであろう。鶺鴒は尾を上下に振りながら滑るように移動するさまが愛らしく、鳴き声も美しい。松葉の毛彫は絵筆で描いたかのように軽快。赤銅一色に彫刻の深浅強弱のみで表現された世界から、奥行きのある豊かな色彩が感じられる。知識派の金工は、後藤宗家で彫金の技術を学んだ者も多い。中でも兼置は最も技量高く、構図や構成においても優れた感性を発揮した名工である。
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