私の正体は? ―鑑定刀 第七回【問題】
【第七回:一振目】
刃長二尺一寸三分六厘 反り五分 元幅一寸三厘 先幅七分三厘
棟重ね二分三厘 鎬重ね二分一四厘
鎬造。庵棟。身幅広く重ね厚く、僅かに鎬地の肉が削がれて相対に鎬筋が張った造り込み。
地鉄は小板目肌詰む。地沸細かにつく。地肌潤う。映り立つ。
刃文、帽子は刀絵図の通り。
刃文は広直刃で、浅い湾れを交える。匂口引き締まる。刃中に匂が充満して澄む。
足盛んに入り、葉浮かぶ。
帽子は焼深く、突き上げごころに小丸に返る。
茎は生ぶ。栗尻。浅い勝手下がり鑢。目釘穴は2個内1埋め。鎬筋に十四字の銘がある。裏に年紀があり、干支と上吉日と刻されている。短めで片手での使用に適する。
【第七回:二振目】
刃長一尺八寸一厘 反り二分三厘 元幅一寸九厘 先幅七分三厘 棟重ね二分三厘
鎬造。庵棟。身幅重ね充分で反り浅く中鋒。
地鉄は板目肌、地景太く入る。地沸厚くつく。
刃文、帽子は刀絵図の通り。
刃文は互の目に丁子を交える。刃縁は小沸で明るい。一部に荒めの沸。太い金線、砂流しかかる。
帽子はごくわずかに弛んで小丸に返る。所謂、○〇帽子。
茎は生ぶ。先剣形。目釘穴は一個。目釘穴の直下から鎬筋に沿って五字銘がある。鑢目は勝手下がり。
以上です。
いつもと同様、次月の月刊『銀座情報』(令和6年5年号)掲載品からの出題です。
今回は二振、出題してみました。
如何でしょうか?
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