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私の正体は? ―鑑定刀 第六回【問題】



【第六回:一振目】

刃長二尺三寸四分三厘 反り七分二厘 元幅一寸五厘 先幅八分

棟重ね二分二厘 鎬重ね二分一厘半

鎬造。庵棟。身幅広く、元先の幅差少ない。重ね厚い。反りやや高く中鋒延びごころ。典型的な〇〇〇刀体配 ヒント







地鉄は板目肌。地景が網状に入る。黒味を帯びる。晴れやかな肌合。

刃文、帽子は刀絵図の通り。

焼幅広く、浅い湾れに互の目、小互の目を交える。変化は大らか。

足と葉盛んに入る。刃縁の沸厚くついて、一部凝って雪の叢消えの様相となる。

焼刃は明るい。

帽子は強く沸づいて小丸、長めに返る。

茎は生ぶ。先剣形。鑢は勝手下がり。目釘穴は1。目釘穴を挟んで、鎬筋に沿って9字の銘がある。

通常は家紋の彫があるが本作にはない。

 

【第六回:二振目】

刃長一尺七寸六分強 反り四分 元幅九分五厘 先幅六分七厘 棟重ね一分六厘 鎬重ね二分一厘半

鎬造。庵棟。身幅尋常。鎬が高い。








地鉄は刷毛で掃いたような柾目鍛え。肌目に沿って地景が入る。

刃文、帽子は刀絵図の通り。

刃文は浅い湾れ。ゆったりと変化。刃縁にほつれ、喰違、二重刃、打ちのけなどの働きが目立つ。

帽子は焼詰め。

直刃調で、浅く湾れ、刃縁に沸がついて明るく、刃境に湯走り、喰違、二重刃かかる。

帽子は掃き掛けて、焼詰めごころに浅く返る。

茎は生ぶ。先栗尻。目釘穴は一個。目釘穴を挟んで鎬寄りに八字銘がある。鑢目は大筋違。

著名な戦国武将に仕えて、その命で京都へ行き修業。受領しています。



 

【第六回:三振目】

刃長一尺七寸五分 反り四分五厘 元幅一寸六厘 先幅八分三厘

棟重ね二分一厘 鎬重ね二分二厘





地鉄は小板目肌詰む。筋状、杢状の地景が盛んに入る。地沸が均一について肌潤う。

刃文、帽子は図の通り。

刃文は焼高い。浅い湾れに互の目を交え、沸厚くつく。金線が筋状、杢状に入って層をなす。

物打付近に金筋が激しくかかる。

帽子は金筋を伴って激しく乱れ込む。殆ど焼詰め。

茎は生ぶ。先が細く尖り、剣形となる。鑢目は筋違。目釘穴1個。目釘穴を挟み、鎬筋から棟寄りに9字銘がある。

裏には、製作年とその干支(十二支だけ)と春夏秋冬の季節が刻されている。

茎の先に見覚えの鑚がある。

江戸後期のこの国の二大刀匠の一角。

名声と人柄と技術を慕って、陸奥会津や尾張名古屋、備前長舩からも刀工が入門している。


 


以上です。


いつもと同様、次月の月刊『銀座情報』(令和6年4年号)掲載品からの出題です。

今回は三振、出題してみました。

如何でしょうか?




クリックするとメールフォームへ飛びます。


解答は『銀座情報』4月号発売の3/16頃を予定しております。






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