私の正体は? ―鑑定刀 第十二回【問題】
【第十二回:一振目】
刃長二尺二寸二分 反り七分
元幅一寸四厘 先幅七分八厘
棟重ね二分一厘 鎬重ね二分六厘
鎬造。庵棟。身幅広く、先幅も広く、中鋒延びごころ。反りは先反りごころで、やや高くつく。
刃文と帽子は刀絵図の通り。
広直刃で匂口は締まって明るい。
小足が入り、葉が浮かぶ。刃境に渦巻状の湯走りかかる。
帽子は焼深く、沸づき、掃き掛けて小丸。
茎は生ぶ。栗尻。浅い勝手下がり鑢。表に十五字の銘、裏は九文字の年紀(長い銘ですね)。
【第十二回:二振目】
刃長二尺三寸(69.6㎝)
反り五分三厘
元幅一寸七寸 先幅:七分六厘
棟重ね一分九厘 鎬重ね:二分三厘
鎬造。庵棟。
身幅広く、先幅も充分。重ねは独特です。棟重ねに比して鎬重ね厚いです。
中鋒延びる。
地鉄は小板目に小杢目を交えて詰む。地沸厚く付いて
鎬寄りに白く映りが立つ(〇映りといいます)。
刃文・帽子は刀絵図の通り。
刃文は互の目。尖りごころの刃が連れる。
浅く弛んで小丸に返る(〇〇が佇んでいるように見えるので、〇〇帽子と呼ばれます。)
茎は僅かに区が送られている。檜垣鑢が掛けられ、目釘穴の下に二字銘。
以上です。
いつもと同様、次月の月刊『銀座情報』(令和6年10年号)掲載品からの出題です。
今回も二振、出題してみました。
如何でしょうか?
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