新商品のご案内 刀 銘 備前國長舩住上野大掾藤原祐定 七十八歳作之 寶永八年二月日
備前国 宝永八年(西暦1711年 江戸時代中期)
上野大掾祐定(こうずけのだいじょうすけさだ)は寛永十年七兵衛尉祐定の子として生まれ、名を横山平兵衛という。藩主池田光政公の推挙で上京し、寛文四年七月十一日に上野大掾を受領。末弟で養子の七兵衛祐信(後の大和大掾祐定)を向槌に精力的に鎚を振るい、元禄十年、六十五歳になってもなお藩主綱政の命に応えて備前一宮吉備津彦神社の刃長七尺三寸茎長五尺の奉納刀を打ち上げるなど、作刀への意欲は終生衰えることはなかった。
宝永八年七十八歳行年銘入りのこの刀は、身幅重ね充分で両区深く、腰反り高くついて中鋒に造り込まれ、さながら鎌倉時代の太刀を想わせる上品な姿。
茎の保存状態は良好で、銘字は弟七兵衛祐信の手で入念に刻されている。隣国備中青江の如くにとの注文で精鍛された、直刃出来の佳品である。