新商品のご案内 刀 銘 芸州住出雲大掾正光 慶應元年七月日
安芸国 慶應元年(1865年),百五十五年前
黒石目地塗鞘肥後打刀拵入
正光は享和二年に安芸国の北方に位置する高野村の刀工正長の子として生まれる。
文政十二年五月に出雲大掾を受領し、天保八年には隣村移原(うつのばら)に移住。多くの刀工が城下町に住んだ当時、正光が山奥で作刀していたのは、同地が江戸初期以来、大谷川を利用した製鉄業が盛んで、また燃料となる松炭となる森林資源に恵まれていた故であろう。広島城下を遠く離れた山中で黙々と作刀し、折々に広島藩主浅野侯に自作を献上している。
この刀は身幅広く重ね厚く、反り控えめに中鋒の伸びやかな姿。 刃文は直刃、浅く揺れ、小沸ついて刃縁明るく、物打付近はやや沸づいて二重刃ごころとなり、鼠足無数に入り、刃中は匂充満して照度高い。
茎は香包み鑢が掛けられている。
附帯する肥後甚吾の鐔が掛けられた黒石目地塗鞘肥後打刀拵は佐藤寒山博士の鞘書の通り当初からの生ぶ拵。返角に銀象嵌された蟻図は武士の無二に忠の暗示であろうか。
南北朝期の備中青江の刀を範に鍛造された、直刃出来の優品である。
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k948 茶石目地雲文塗鞘肥後脇差拵(刀身はありません)